2025年時点の放課後等デイサービスの施設数と地域別傾向
教育現場の視点から、2025年時点の放課後等デイサービス(放デイ)の施設数(事業所数)についてご報告いたします。
1. 全国にある施設の総数(2025年時点の推計)
放課後等デイサービスの事業所数は、利用者数と同様に増加の一途をたどっています。
公的な最新データは若干のタイムラグがあるため、直近のデータに基づき推計します。
厚生労働省の統計によると、令和5年4月(2023年4月)の時点で、全国の放課後等デイサービスの施設数は20,307施設でした。
これは初めて20,000カ所を突破したことを示しています。
この増加傾向(前年比で約5%増)が続いていることを考慮すると、2025年時点の全国の事業所数は21,000〜22,000カ所前後に達していると推測されます。
この急激な増加は、障害児支援のニーズの高さを示す一方で、サービスの質の確保という点で大きな課題も生んでいます。
2. 事業所数が多い都道府県の具体的な傾向
事業所数は、人口規模や地域の支援体制への意識、参入のしやすさなど、様々な要因によって都道府県間で大きな差が見られます。
特に事業所数が多い傾向が見られるのは、大都市圏と九州地方の一部です。
エリアの傾向: 特徴的な都道府県と具体的な傾向
大都市圏: 大阪府など、人口が多く、核家族化が進み、共働き世帯が多い地域で事業所数が多くなっています。ただし、人口当たりの事業所数で見ると、他の地方に比べて突出しているわけではありません。
西日本・九州地方: 鹿児島県、沖縄県、佐賀県、長崎県などの九州地方は、児童人口10万人あたりの事業所数が全国平均(約19.0事業所)を大幅に上回り、全国トップクラスの密度となっています。例えば、鹿児島県では約39.0、沖縄県では約37.2と、全国平均の約2倍の事業所が存在するというデータがあります。
これらの地域で事業所数が多い背景としては、障害児への福祉的支援のニーズが高いことや、行政の認可を受けやすいといった地域特有の要因が考えられます。
3. 教育現場への示唆
放課後等デイサービスの事業所数が全国で2万カ所を超え、特定の地域で過密傾向にある現状は、学校現場においても以下の点に留意する必要があります。
連携の重要性: 連携する放デイの数が増加することで、個々の事業所の支援内容や質にばらつきが生じる可能性があります。
学校と各事業所との情報共有や連携強化がこれまで以上に重要になります。
質の担保: 事業所数の増加は選択肢が増える一方で、サービスの質の維持・向上が大きな課題です。
教育現場としても、質の高い支援が提供されるよう、関係機関との連携を通じて利用者の視点からのフィードバックが求められます。
最新の正確な数字は今後の公的発表を待つことになりますが、増加のトレンドと地域差を理解しておくことが、今後の学校での個別支援計画を立てる上で非常に重要となります。